家を建てるとき、車を持っていれば駐車場についても考えますよね。
特に車が大好きで大切にしている方の多くは、愛車をさまざまなトラブルから守り、思い立ったときに世話ができるビルトインガレージに憧れを持っています。
しかし、漠然と高そうなイメージを持っていたり、詳細がわからないため具体的な行動にうつせなかったりする方もいるでしょう。
- ガレージの広さはどのくらい必要?
- どんなタイプがある?
- 建築費用の目安は?
ここではそんな疑問に応えるため、ガレージの種類や目安となる価格、ガレージが家の中に組み込まれることでのメリットやデメリットはどんなものがあるのかなどを紹介していきます。
目次
ビルトインガレージは用途によって費用が大きく変わる
家に1つの部屋のようにガレージを取り入れたものが、ビルトインガレージです。
タイプは2種類で、車専用ガレージとバイク専用ガレージがあります。その用途によって大きさや仕様が大きく変わるため、費用も大きく影響を受けます。
広さの目安としては、車用のガレージであれば1台分は畳約10帖です。
バイクだと1台分で畳約3畳。それくらいの広さがあれば、車のドアの開閉には困りませんし、ちょっとした備品なども置けるでしょう。
コストの目安としては、一般的な木造2階建て住宅の1階部分にビルトインガレージを作る場合、坪単価は50万円から60万円、鉄筋造りの地下階なら坪単価は100万円ほどです。
つまり畳約10帖分のガレージの費用は、一般的な木造建築の1階部分で250万程度、鉄筋建築の地下階部分で500万程度になります。
地上の敷地内にカーポートを作る場合の目安は、コンクリート処理などをしても総額で50万円ほどですから大きく違いますね。
さらに、ただ車が停められる部屋を作ればよいということではなく、遮音や断熱、換気などの設備も必要です。そのためビルトインガレージを計画するときには、用途と仕様をしっかりと考えていく必要があります。
ビルトインガレージがコスト高になる理由とは
ビルトインガレージにコストがかかる理由は、以下の3つです。
- 建物に組み込まれるため建築費の総額が上がる
- 屋外用の仕様になる
- 開口部分の強度を保つためのコストがかかる
主要構造が木造か鉄筋か、平屋か2階建または3階建か、ガレージを設けるのは1階部分か半地下かなどによってもコストは違います。
しかしいずれにせよ、ビルトインガレージは建物全体の金額に組み込まれます。
つまりローンで支払うことになるため、ガレージの分も利子がつき全体の総額が上がります。
また、ガレージのドアや内側の壁が屋内仕様ではなく屋外仕様になります。
屋外仕様となれば防水・防湿・耐光などに対応するため、材料にコストがかかります。
プライバシーや防犯のためにシャッターを取り付けるなら、そのグレードによっても金額はアップします。
さらに、家は通常と違って車が入るほどの大きな開口部を設ける必要がありますが、その部分も地震などに対する十分な強度を確保しなければなりません。
一般的な木造住宅で開口部の強度を確保するためには、立派で頑丈な木材と熟練の腕を持つ大工さんが必要です。
材料費や人件費でもよりコストがかかってくるわけです。
ビルトインガレージのメリット・デメリット
続いてビルトインガレージのメリットとデメリットを見ていきましょう。
憧れだけではなかなか手を出せない場合もありますので、実際にどのようなメリットやデメリットがあるかを知ることは大切です。
メリットは5つ、デメリットは3つの代表的なものがあります。
順番に説明していきますね。
メリット5つ
メリットは次の5つです。
- ガレージから家の中への動線がスムーズ
- 部屋の中から愛車を眺められる
- 天候に左右されず、愛車を風雨や盗難から守れる
- 半屋外の趣味部屋や屋外用品の収納場所にできる
- 駐車場問題が片付く
ビルトインガレージは家に中にあるガレージですので、盗難被害や風雨から愛車を守ることができます。
設計によっては家の中への動線がスムーズになるうえ、部屋の中から愛車を眺めることも可能です。
DIYの作業場など趣味部屋として活用もできますし、屋外用品の収納場所にもできます。
また大きなメリットなのが、駐車場問題の解決と、駐車場を借りた場合にかかる年間のコストを削減できることです。
自動車検査登録情報協会の統計情報からみた都道府県別自動車保有台数ランキング(2018年)では、秋田県は47都道府県中16位の自動車保有率でした(人口100人に対し、80.61台の保有)。
車の保有率が多いということは、駐車問題は一般的な悩みでもあります。
駐車場問題とは、車を停める場所の発見・確保と維持費の問題ですね。
自宅に駐車場がなく他に借りた場合、費用は毎月数千円から数万円ほど必要になります。
近隣で駐車場が見つからない場合もありますし、契約更新できない場合もあります。
そして秋田市のように都市部では土地代も高くなりますので、高い駐車場代が毎月かかれば家計には負担です。
デメリット3つ
デメリットとして考えられるのは、次の3つです。
- 1階部分の人が住む空間が削られる
- 音や振動、臭いなどの対策が必要
- サイズの変更ができない
ガレージを家の中に引き入れて作る分、1階部分の人が住むためのスペースは削られます。
土地に十分な広さがない場合、削られた分のスペースは2階や3階で確保しなければなりません。
そして音や振動、ガソリンの臭いなどの対策は程度の差こそあれ必要ですので、それに関しても設備費や工事費がかかります。
さらに気を付けたいことは、建ててしまったあとはサイズ変更ができないことです。
家族形態や保有する車のサイズ・台数に変更があっても、建ててしまえばガレージサイズの変更はできません。
ビルトインガレージが欲しい! 大切なことは?
メリットも多いから、やはりビルトインガレージを検討したい! そう考える方は、必ずやっておきたいことが家族での話し合いです。
- 家族の現在の趣味は何か?
- その趣味をどのように生かした家づくりをするか?
- ガレージを家の中に取り込むことで、可能になることはあるか?
などを話し合ってみましょう。
設計によっては、リビングをガラス張りにしてコーヒーを飲みながら愛車を眺めるということも可能です。
家族それぞれの希望を出し合って具体的な形に整えていってください。
ビルトインガレージを建てる前にやっておきたいこと
憧れの秘密基地、ビルトインガレージ! 建築が決まれば、計画段階でやっておきたいことは、以下の2つです。
- 理想のイメージを探しておく
- 必要な広さを考えておく
理想のイメージを探しておく
家族で話し合った希望を施工会社に伝えるとき、あらかじめ理想のガレージの画像などを雑誌やインターネットなどで見つけておくと、イメージの共有がしやすくなります。
プロは今までの経験に基づき、いろいろとアイディアを出してくれるでしょう。
基本となるイメージを共有しておけば、アイディアも出しやすいですし、自分たちも考えがまとまりやすくなりますよ。
必要な広さを考えておく
現在の車のサイズだけでなく将来のことも考慮して、ガレージに必要な広さを考えておく必要があります。
予算を優先した結果小さ目のガレージを作ってしまえば、使い勝手が悪く無駄なスペースとなってしまうことがあるのです。
車は入れても車のドアの開閉が困難であるため不便で使わなくなったとか、次に購入した車のサイズが大きくなって入らなくなったというケースなどです。
「車の本体が入る大きさ」に「何でも使える余分なスペース」を足した広さが必要です。
せっかく建てたのにあまり使えなかったということがないように、計画の段階でしっかりと考えておきましょう。
オリジナルガレージは建てられる! まずはイメージを具体的にしよう
せっかく家を建てるのだから、ガレージが家の中にあるビルトインガレージにしたい! そう考えるのであれば、まずはイメージを具体的にしてみましょう。
理想のガレージの画像を見つけ、実現するためのアイディアをプロに聞いてください。相談すれば、コスト削減方法や妥協点も見つかります。
愛車をさまざまなトラブルから守り、じっくりと手入れができるのがガレージの魅力です。
自分だけのオリジナルなガレージを建ててみてはいかがでしょうか?
監修・執筆
コウキ / 設計・デザイン
トライでは、お客様の思いや理想に重きを置き、住まいづくりを進めていきます。 “自分だけの暮らし方”を楽しみながら一緒にカタチにしていきましょう。