少しずつ気温も上がってきましたね。
そろそろエアコン(冷房)が活躍する季節となってきました。
日ごろから節約を心がけ、エアコンの使い方も大丈夫なはず!
なのに請求書を確認したら高額になっていた! なんてことはありませんか?
電気代が上がってしまう原因の一つに、エアコンへの想定外の負荷がかかっている可能性があります。
本記事では、お得なエアコンの活用法についてご紹介していきたいと思います。
目次
エアコンに負荷がかかる仕組みを知る
「エアコンに負荷がかかる」=「コストがかかる」ということです。
では、どういう時に負荷がかかるのかというと、こまめに電源のオン・オフを切り替える操作にあります。
こまめに電源を切ったりつけたりすることで節電になる!
と思っていた方は、この機会に負荷の仕組みを知っていただきたいと思います。
エアコンは運転中よりも、運転開始時に電気を多く使います。
照明のようにオン・オフを頻繁に行なうと逆効果。
これは人の動作に例えることもできます。
地べたに座っている状態から立ち上がるときは、手や足のほか、全身の筋肉を使います。
「よっこいしょ」と言いながら立ち上がる方もいますね。
これを労力といいますが、「電源のオン・オフを切り替えるエネルギー使用量」は労力と同じと言えます。
つまり、人が立ち上がるときのようにエアコンも労力を使って運転を開始しているのです。
こまめに電源を切り替えるとエアコンに負荷がかかり、料金が高くなってしまいます。
以下は実際の電気量をグラフにしたものです。
参考:mission5-2 冬のエアコンつけっぱなし検証 | 空気のお悩み調査隊がゆく | ダイキン工業
赤線が電源のオン・オフをしたもの、青線が温度調節だけしたものです。
電源のオン・オフをしていた赤線は、時間が経つにつれて徐々に電気の使用量が上がっています。
一方のつけっぱなしにしていた青線はかなりコストを抑えられていますね。
この調査結果から分かる通り、電源はこまめに切り替えないほうが節電になります。
冷房と暖房はどっちが安い?
同じエアコンを使うなら、冷暖房どっちも同じくらいなのでは? と思うでしょう。
結論から言うと、冷房の方が安いです。
ポイントは外気と室内の温度差。
エアコンは室内の温度を設定温度まで調節する際に最も電気代がかかります。
夏は外気が35度であれば部屋の中は29度程度(もしくは送風などに変えて調節)にすれば快適に過ごすことが出来ます。
ですが、冬は外気が0度近くなる地域もあります。
秋田市も氷点下になりますよね。
冬の室温は20度以上にしないと寒くて厳しいことは体感レベルで分かると思います。
- 冷房:35度に対し29度前後(もしくは送風)
- 暖房:0度に対し20度以上
外気と室内の温度差が大きいのは冬なので、冷房よりも暖房の方が値段が高いと言われているのです。
今日から出来るエアコンの節電術
ここまでエアコンの負荷を説明してきました。
次は「すぐにできる」お得なエアコンの活用法をご紹介します!
上手に活用すれば年間18,000円も節電可能です。
早速今日からやってみましょう。
電源のオン・オフはせず、温度調節を使う
前項で解説したように、エアコンの電源をオン・オフするのではなく「温度調節」でエアコンの節電を図りましょう。
どれくらいの温度がベストか分からないときは、「おまかせ運転」のような機能を活用するといいです。
おまかせ運転は自動で温度を調節してくれる機能で、どの季節でも使用環境に応じた室温制御を行います。
機種によっては呼称は異なるので、「自動調節」をキーポイントにリモコンを見てみましょう。
もちろん、手動での温度調整も有効です◎
フィルターの掃除はこまめに! 理想は2週間に1回
エアコンの掃除はしてますか?
フィルターにゴミやホコリが詰まってしまうと、エアコン本体の性能が弱まります。
すると電気代がかかってしまい、最悪の場合は故障につながるケースもあります。
また、フィルターの汚れを放置してしまうと、エアコン内部にカビが発生し、嫌なニオイの原因にもなります。
空気が汚くなってしまうことは、肺炎やアレルギーの危険性も高まってしまうため要注意です!
フィルター掃除のやり方
掃除専門のサービスを呼んでも良いのですが、2週間に1回のスパンだと何かと大変だと思います。
フィルターは自分でも簡単に掃除出来ます。
コツは、掃除機を使い、水で洗い流すことです。
- 掃除機でフィルターの表面をホコリを吸い取る
- フィルターの裏面をブラシでなぞる(表面にホコリがかき出される)
- 水でフィルターを洗い流す
- フィルターについた水を軽く拭き取って完全に乾かす
窓を開け、マスクをしてから始めましょう。
体感温度が下がる! 送風や除湿も活用してみよう
ジメジメとした湿気の不快感や、暑い時は冷房で過ごしたくなりますが、送風や除湿の機能を一度試してみて下さい。
送風の空気を循環させる働きは、室温を冷房より早く下げる効果がある上に、節電にもつながります。
また、送風は結露を蒸発させて、カビの増殖を防ぐことができます。
エアコンの天敵ともいえるカビや結露を発生させないためにも、適宜使うといいと思います。
除湿は、部屋の湿度を下げる機能があります。
湿度が10度下がれば人の体感温度は1度下がるとされているため、快適に過ごせる空間を作り出すことができます。
送風+除湿+エアコンを上手に活用すると良いでしょう。
リモコンで手動での切り替えが面倒だったり、どのタイミングで切り替えればいいのか分からない時は、自動調節機能を使うといいです。
お得な活用アイテム+方法5選!
本項では、さらにエアコンをお得に活用するのに役立つ併用アイテムをご紹介します。
自宅にあるもので、すぐに活用できるので要チェックです!
1.扇風機の併用
普通にエアコンを使用していると、部屋の上の方が暑く、床に近いところだけ涼しくなります。
これが温度ムラといわれるものです。
エアコンの風下に扇風機を置き、風を天井側に向けると温度ムラを減らせます。
こうすることで空気の循環ができるため、温度が均整化されるのです。
2.扇風機+濡れタオル =簡易冷風扇
扇風機に濡れタオルを組み合わせると、冷風扇代わりになります。
冷風扇とは扇風機本体に水や氷を設置したもの。
水や氷の蒸発で出来た気化熱によって、冷たい風を作り出すことができます。
しかし、扇風機と濡れタオルだけだと部屋の温度を下げるまで多くの時間とエネルギーを要します。
そこでエアコンと併用することで、より節電の効果が期待できます。
濡れタオルを設置する場所は、扇風機の後ろの軸部分にかけると良いでしょう。
3.扇風機+ハッカ油(or ペパーミントオイル)
ハッカ油、ペパーミントには「メントール成分」があります。
メントールとは、匂いで神経を刺激して冷たいと感じさせることです。
ペパーミントよりハッカ油の方がメントール成分が多いとされていますが、肌がデリケートな場合はペパーミントがおすすめです。
使い方は、コットンやティッシュにオイルを2~3滴垂らし、扇風機に固定するだけです。
その際オイルを含んだコットンやティッシュは、モーター部分に直接触れないよう注意して下さい。
ハッカやミントのオイルは引火点が80度程度なので、モーターの熱が直に伝わると発火の恐れがあります。
4.サーキュレーターの併用
扇風機とよく似ているサーキュレーター。
両者の違いは、「本来の機能」と「空気が届く範囲」にあります。
扇風機は人が涼をとる目的で作られているため、首が動き、空気が届く範囲も幅広く設定されています。
サーキュレーターは空気を循環させる目的で作られているため、首は動きません。
動かない理由は、直線的に遠くまで風を届けるためとされているからです。
本来の特性を踏まえて活用しないと効果を発揮しません。
サーキュレーターの特性を理解して、快適な室内環境を作りましょう。
冷房+サーキュレーター
サーキュレーターはエアコンに背中を向けて置きましょう。
エアコンから出た冷気は床にたまります。
温度ムラが生まれてしまう原因を解決するために、遠くまで直線的に風を届ける特性を生かした活用ができます。
暖房+サーキュレーター
エアコンの方を向いて、対角線上に置きましょう。
対角線上にサーキュレーターを置くことで、上部に溜まった暖かい風は部屋全体に行き渡ります。
5.室外機のメンテナンス
フィルターの掃除が大切なように、室外機のメンテナンスも大変重要です。
室外機と室外機周辺のメンテナンスは節電につながります。
<室外機のメンテナンスポイント>
- 室外機の掃除をする
- 室外機周辺の環境を整備する
<室外機の掃除ができる部分>
- 室外機の外側の汚れ
- プロペラをカバーしている吹き出し口
- 室外機の裏側
- 水抜き穴
歯ブラシのような小さなブラシで汚れを優しく取り除くと良いでしょう。
<室外機周辺の環境整備で確認する部分>
- 室外機周りの風通し
- 室外機周りに物を置かない
- 室外機に直射日光が当たらないようにする
室外機の周辺に物を置くと、空気の流れを妨げてしまいます。
2.2kWエアコンの室外機周りに物を置いて空気の流れを妨げた場合、 冷暖房効率は17.7%下がるそうです。(東京電力による調査結果)
室外機のメンテナンスは、意外と見落としがちです。
冷房の効率を下げないように気をつけましょう!
エアコンだけの使用では、充分な節電にならない場合も
部屋の大きさや気候によりますが、エアコンだけの使用では効率が悪い場合もあります。
オン・オフの切り替え、フィルター掃除、他アイテムとの併用といったものをうまく活用すれば、快適に過ごせる上に節電効果が期待できます。
あとは、古い機種を使っている場合は、買い替えを検討してみてもいいかもしれません。
同じモデルだとしても、最新機種は10年前より省エネ率が20%近く向上しているものもあります。
- 修理費用
- メンテナンス費用
- スペック(効率)
- ランニングコスト(いつまで使うか)
こういったことを踏まえて、判断してみると良いでしょう。
監修・執筆
コウキ / 設計・デザイン
トライでは、お客様の思いや理想に重きを置き、住まいづくりを進めていきます。 “自分だけの暮らし方”を楽しみながら一緒にカタチにしていきましょう。