1馬力=馬1頭分の力??
突然ですが、「1馬力」とはどれくらいの力かご存知でしょうか。
「馬力」は「馬の力」と書きますが、1馬力=馬1頭分の力という意味ではありません。
それぞれの馬によって出せる力はバラバラですから、「馬1頭分の力」なんて不正確なものは「単位」になりっこないですよね。
では、1馬力とは何なのか?
正確にいうと、1秒間に約75kgのものを垂直方向に1m動かすときの力の大きさのことです。
75kgといえば成人男性ひとりほどの重さ。
それを1秒で1m持ち上げ続ける力、と言われると、なかなかのパワーだとわかりますね。
この単位を考案したのは、蒸気機関を実用化したジェームズ・ワットです。
自らが開発した蒸気機関のパワーを人々に伝えるため、当時誰もが知っていた「馬の力」を基準にしたのが始まりでした。
ワットで換算すると1馬力=約735.5W。
つまり700Wの電子レンジを1秒間稼働させた熱量とほぼ同じです。

今も現役バリバリ馬力
この「馬力」という単位、皆さんにとっても身近な建物の設備の世界でも現役で使われています。
店舗や事務所に設置される業務用エアコンの能力表示がその代表例です。

家庭用エアコンが「6畳用」「10畳用」といった畳数で選ばれるのに対し、業務用エアコンは「馬力」で能力が表示されます。
1馬力で約6〜8畳程度の広さに対応する目安で(使用環境により異なります)、ラインナップは1馬力から12馬力のものも!
「この会議室には何馬力必要か」という会話を、空調の専門家や建設会社は今も日常的に交わしています。
蒸気機関が生まれた18世紀から250年以上が経った今も、私たちの暮らしの中にひそんでいる「馬にまつわる単位」のお話でした。