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90年代ニューヨーク、アルファベットシティの路地裏で鳴り響いていたもの

TMT代表のブログ

かつてのニューヨーク、特にアルファベットシティは、路地裏に至るまでグラフィティが溢れ、常に新しい表現が火花を散らす場所でした。
地下鉄のホームに降り立てば、かつてキース・ヘリングがチョークで刻んだ「サブウェイ・ドローイング」の精神が、街の壁にタトゥーのように刻まれていました。

週末になると、ラリー・レヴァンが音楽を紡ぐ「パラダイス・ガレージ」や、デヴィッド・マンキューソの「The Loft」へと足が向きました。
扉を開けて一歩踏み込めば、そこは「解放」の空間でした。
フランキー・ナックルズやリトル・ルイ・ベガが生み出すハウスミュージックは、人種、国籍、性別といったあらゆる境界線を静かに溶かしていきました。
スピーカーから放たれる熱狂に身を委ねている間だけは、「自分は何者か」という問いからさえも自由になれたのです。

そして、真夜中をとっくに過ぎた頃に本番を迎えるのが「アフターアワーズ」の世界でした。
「Save the Robots」のような店は、午前2時、3時を過ぎてからこそ最も盛り上がりました。
インダストリアル、テクノ、パンクが混ざり合う淫靡な空間に、レイバー、ドラァグクイーン、アーティスト、ファッション関係者たちが集まり、夜が終わることをまるで拒絶するかのように、その熱気は永遠に続くかと思えるほどでした。

クラブを出ると、夜明けの光がアルファベットシティをうっすらと青白く照らしていました。
まぶしい摩天楼と路地裏の静寂が混ざり合ったあの感覚。
一体感と孤独が同時に押し寄せてくるような、あの朝の空気の根っこには、いつも「自由」と「反逆」がありました。

ファッションもアートも、ストリートの叫びから生まれた「アンチテーゼ」が渦巻く街で20代を過ごせたことは、今思えば本当に幸運なことでした。
あの頃の空気が、今の自分のものの見方やデザインへの姿勢に、確かに息づいていると感じています。

 

TMT代表 佐藤

 

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