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玄関先の石に空いた小さな穴の正体

スタッフ日記

コンビニ入口の柵に、馬がつながれて飼い主を待っていた──。
そんな写真がSNSで話題になったことがあります。

▼キムラ @THC_kimura さんのXポスト|2023/11/3
https://x.com/THC_kimura/status/1720356775147561305

出典:キムラ@THC_kimuraさんによる2023/11/3のXポスト

近所で馬を飼っている人が、馬をつないで買い物をしていたのだそうです。
珍しい光景として注目を集め、ネットニュースにも取り上げられました。
でもこの状況、江戸時代の人が見たら「そんなふつうのことで何を騒いでいるんだ?」と首をかしげるかもしれません。

馬つなぎ石

かつて馬は日常的な乗り物であり、荷物を運ぶ働き手でした。
そのため玄関先には「馬つなぎ石」と呼ばれる、馬の引綱を通してつなぎ止めておくための、中央に穴の開いた石が置かれていました。

秋田県仙北市・角館の武家屋敷通り沿いには、今もその石が残っています。
上級武家屋敷であった青柳家の前と、稲庭うどんのお店の前で見ることができますので、ぜひ探してみてください。
青柳家には「馬乗石(馬に乗るための石)」も残っており、当時の暮らしの細やかさを今に伝えています。
▼仙北市観光情報センター「角館駅前蔵」 2025/6/24
Facebook http://bit.ly/4ePMLPm
Instagram @kakunodate.kanko https://www.instagram.com/p/DLQ6EHIPWj6/

出典:仙北市観光情報センター「角館駅前蔵」Facebook 2025/6/24

また石黒家の馬つなぎ石は門の内側に設置されており、馬を高級車と同様に大切にしていたようすが伺えます。
▼角館武家屋敷石黒家のブログ『馬つなぎ石』2006/12/9
http://ishiguroke.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_afad.html

馬と、時代と、想いをつなぐ

角館の馬つなぎ石を手にした仙台の骨董店の店主さんが、SNSにこんなことを書いていました。
「馬繋ぎ石が現役だった頃、人や荷を運ぶ馬はきっと今の人と自動車の関係よりももっとずっと深く、精神的なところでも繋がっていただろう。家族のように馬を愛したことで、その慈愛は結果的に馬にまつわる物にも波及し、長らくこの石は壊されず捨てられずに残った。」と。
▼用無用 @yomuyo_sendai Instagram 2026/3/30
https://www.instagram.com/p/DWf5IqdD9fY

建物もきっと同じで、長く愛される家は「こだわり」や「思い」が込められ、暮らしの記憶を刻む場所になっているのだと思います。

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